考えるのは自由。

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日々の生活で気になった事を雑食的に考えます。

Kindleのポピュラー・ハイライトって何のためにあるの?


少し前にこんなニュースをネットで見かけました。

gigazine.net

旅行予約サイトでよく見かける「あなた以外に〇〇人が見ています」というのが実際の人数ではなく、ランダムに表示しているウソの数だったというものです。

 

他の誰かも見ていると表示することでサイトを見ている人にプレッシャーを与えて、予約数を稼いでいたようです。今回発覚したのは海外の特定のサイトなので、全てのサイトが対象というわけではなさそうですが…。

 

このニュースを見た時に、ぼくはあるものを思い浮かべました。

それはKindleで本を読む時に表示される平均時間ポピュラー・ハイライトです。

 

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旅行予約サイトの閲覧者数のように当たり前に表示されているこの2つですが、よくよく考えるとあれって何のためにあるのだろうか?と思ったわけです。

今回はこの2つが表示されている理由について考えてみました。

 

 

平均時間

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平均時間はその本を読み終えるまでにかかるおよその時間を表示しているものです。おそらく、過去にその本を読んだユーザーの平均読了時間を統計したものだと思います。

しかし、何のためにわざわざ表示してあるのでしょうか?まずはその理由について考えてみました。

 

本を読む判断材料として

実物の本は、本自体の厚さを見ることができます。人によっては「厚い本は読む気が失せるからNG!」という場合もあるので、見た目でその本を読むかどうかの判断をしている部分もあるでしょう。しかし、電子書籍の場合は本の厚さが見た目でわかりません。そうなるとその本が自分に読めるかどうかの判断が簡単にできないのです。

そこで可視化できない本の厚さでは無く、平均時間を表示することでその本を読むイメージをしやすくしているのです。ユーザーはその本を読むかどうかの判断材料のひとつとして平均時間を利用しているというわけです。

 

「総ページ数も載ってるからそっちを参考にすればいいじゃん!」という意見もありますが、ページ数でイメージができるのは読書慣れしている人に限ります。ぼくを含め普段からあまり本を読まない人は、ページ数よりも時間で表した方が本を読んでいる時のイメージがしやすいのです。

  

速読の実力を測るため

もう1つの仮説は、己の速読の実力いわゆる速読力を測るためにあるのかもしれないというものです。

速読には、他者と読む速度を競う速読甲子園というものがあります。そのような大会があるということは、速読は個人で完結するものではなく他人と競う一種の競技であると言えそうです。

しかし、読書というものは基本的にひとりで行うもの。ひとりで練習しているとなかなか他人の実力がわかりません。そこで、他人の読む時間をどうしても知りたい速読者たちの要望に応えてKindleが平均時間を表示したというわけです。

この平均時間と自分の読了時間とを比べることで、速読者たちは自分にどのくらいの速読力があるかの指標にしているのです。

 

 

ポピュラー・ハイライト

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Kindleのハイライトとは大事な箇所や後で見返したい部分に目印を付けておくための機能で、ポピュラー・ハイライトではその本を読んだ他のユーザー達が今まで何回ハイライトしたのかを表示してくれています。

なぜこんな情報を読書にわざわざ教えてくれているのか?次にその理由についても考えていきます。

 

購買意欲を高める

ポピュラー・ハイライトや平均時間はKindleの無料サンプル版でも表示されます。

その時にポピュラー・ハイライトを見せることで「あなたが読む本はこんなに多くの人に読まれていて、こんなにたくさん大事な部分があるよ!読む価値があるよ!」と読む人に対してアピールしているのです。

そのようにアピールされれば買おうか迷っている人の購買意欲も高まり、購入の決め手になるはずです。

 

しかし、ぼくはこのポピュラー・ハイライトをネガティブに捉えてしまう時があります。それは、このハイライトの回数が多ければ多いほど、「こんなにたくさんの人が重要に思ってるんだから、お前も価値を感じていっぱいハイライトしてくれよな!」Kindleからプレッシャーを与えられている感じになってしまうのです。もちろんそのような本ほど価値ある情報がいっぱいあるわけですが…。

 

新たなサービスへの準備

近い将来ポピュラー・ハイライトを使った新たなサービスが始まるかもしれません。

今はまだ他のユーザーのハイライト回数しか見れませんが、今後は公開を許可したユーザーに関してはハイライトした場所を共有できるようになるかもしれません。

公開するユーザーが著名人やインフルエンサーなどであればその人がどこに注目したのか、どのような読み方をしているのかを知ることができるのです。そのような人達の視点を学べるのであればそれだけでも価値があるサービスになるはずです。

これは西野亮廣さんの『しるし書店』に近い考え方かもしれません。

 

 

 

今回はKindleの平均時間とポピュラー・ハイライトについて考えてみました。

普段何気なく目にするものでも、見方を変えれば新しい発見をすることができるのでおもしろいですね。

これからも新しい見方、考え方をマイペースに発信していきます。